今年も残りわずかとなり、お正月の準備を始める時期になりました。正月は仏事において、お盆と並びご先祖様を祀るための大切な行事です。無事に一年が終わり、新しい年を迎えられることをご先祖様に感謝するとともに、仏壇も少しだけお正月らしくしてみませんか。
年末の大掃除の一環で、仏壇の大掃除と飾り付けもする時期です。そこで、仏壇まわりの掃除に関することをご紹介します。
現代においては重厚感のある大きな仏壇からミニ仏壇までありますが、掃除方法は仏具、仏壇ともにすべて同じです。
●掃除
・仏具
先ず、仏壇から仏具をすべて出し、分解できるものは分解してから掃除を始めましょう。掃除後に仏具を元に戻す際、仏具の配置に困らないよう、事前に仏壇を写真に取ってから掃除を行うことをおすすめします。
ほこりを落としたら、水拭き、乾拭きをします。また真鍮製の仏具は金属磨きで磨くことができますが、メッキ加工のものは磨いてはいけません。
・仏壇
仏壇は湿気に弱くカビやすいため、掃除は晴れていて湿度の低い日をおすすめします。金仏壇と唐木仏壇の両方に共通して注意する点は、手で直接触らず濡れた雑巾で拭かないことです。金仏壇の場合には金箔が剥げる原因になってしまい、皮脂や汗によって指紋などがつくと専門業者に依頼しなければならない場合もあります。基本的に毛バタキでホコリを払うだけにします。唐木仏壇の場合には唐木や塗りの部分は、よく絞った清潔な布で拭き、彫刻などの細部は毛バタキで払うのが基本です。
●お正月の飾り付けをする時期
お正月飾りは、暦の「正月事始め」である12月13日以降ならいつ出しても問題ありません。縁起の面からは末広がりを意味する12月28日に飾り付けて、松の内の1月7日を過ぎたら取り払うのが良いとされています。29日や「一夜飾り」となる31日は飾り付けを行う日としてはふさわしくないとされています。
●お正月の飾り付け
仏壇のお正月飾りは宗派ごとに異なるものの、華やかにすることが基本です。まず最初にお正月らしい打敷(敷布)を敷き、香炉や花立て、ろうそく立てなどの具足を飾る場所に敷きます。また、花はいつもより華やかな花を飾り、お正月仕様にしても問題ありません。花に松竹梅、千両、南天などを加えたり、お餅やおせち料理をお供えしたりするのもいいでしょう。
また、鏡餅は神棚や床の間のほかにお仏壇にお供えするのもおすすめです。一緒に玄関ドアの外側にしめ飾りを吊るせば、さらにお正月の雰囲気が出ることでしょう。
●お正月が喪中の場合
四十九日までは慶事を控えますので、お正月らしい飾り付けはしません。四十九日を過ぎたら個人の判断に委ねられます。ただし浄土真宗では死を穢れとみなさず「喪中」はないため、この限りではありません。
仏壇はご先祖様を祀るものなので 華美にせずに、普段通りのお飾りをしてもいいでしょう。
何よりも大切なのはご先祖様を偲び、感謝する気持ちです。正月の準備をする師走は何かと忙しい時ですが、仏壇をきれいにして花を飾り、気持ちよく新しい年を迎えましょう。
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