永遠におしゃれな女(ひと)

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故人様は40代の女性で、喪主様のお母様と2人暮らしでした。長年服飾関係の仕事に携わっており、海外にも仕入れに行かれるほどその分野に精通していました。また、ファッション雑誌から参考になりそうなコーディネートをスクラップするなど、公私共に深く洋服に関わっていたように感じました。

お体を患ってからは仕事をやめることになりましたが、洋服に対する想いは変わることなく、もう一度服飾界に復帰するために、お母様と一緒に、厳しいリハビリにも一生懸命取り組んでおられました。

復帰したい理由は、ご自身のやりがいのためだけではありませんでした。お母様が退職して年金生活になるまでに、自分が仕事に復帰してお母様を支えたいという想いからだったのです。ご本人が一番つらい状況の中だというのに、周囲の人を懸命に気遣う姿に感銘を受けました。お母様から見ても、面倒見がよく、ご家族やご友人を大事にされる自慢の娘さんでした。

アムールのスタッフである私は、伺ったお話や拝見させてもらった何枚かの写真から、自分なりに故人様の嗜好を想像して、ご葬儀当日にファッション誌を何冊か用意しました。そして故人様が頑張ってこられた証として、お別れの際にお棺に手向けていただきました。

後日連絡をくださったお母様は、「本人が好きそうなもので、びっくりしました。ありがとうございました」とおっしゃっていました。「闘病生活も含め、故人様と過ごした日々が大切な思い出であり、感謝している」と話していたお母様の想いに微力ながらも寄り添えたような気がしました。


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