2020年10月 1日

永遠におしゃれな女(ひと)

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故人様は40代の女性で、喪主様のお母様と2人暮らしでした。長年服飾関係の仕事に携わっており、海外にも仕入れに行かれるほどその分野に精通していました。また、ファッション雑誌から参考になりそうなコーディネートをスクラップするなど、公私共に深く洋服に関わっていたように感じました。

お体を患ってからは仕事をやめることになりましたが、洋服に対する想いは変わることなく、もう一度服飾界に復帰するために、お母様と一緒に、厳しいリハビリにも一生懸命取り組んでおられました。

復帰したい理由は、ご自身のやりがいのためだけではありませんでした。お母様が退職して年金生活になるまでに、自分が仕事に復帰してお母様を支えたいという想いからだったのです。ご本人が一番つらい状況の中だというのに、周囲の人を懸命に気遣う姿に感銘を受けました。お母様から見ても、面倒見がよく、ご家族やご友人を大事にされる自慢の娘さんでした。

アムールのスタッフである私は、伺ったお話や拝見させてもらった何枚かの写真から、自分なりに故人様の嗜好を想像して、ご葬儀当日にファッション誌を何冊か用意しました。そして故人様が頑張ってこられた証として、お別れの際にお棺に手向けていただきました。

後日連絡をくださったお母様は、「本人が好きそうなもので、びっくりしました。ありがとうございました」とおっしゃっていました。「闘病生活も含め、故人様と過ごした日々が大切な思い出であり、感謝している」と話していたお母様の想いに微力ながらも寄り添えたような気がしました。


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受け継がれた帆船

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人は、内に秘めた夢や憧れをカタチにしたいと考えるものです。その想いを、愛するわが子が受け継いでくれるほど、幸せなことはないかもしれません。

その日、アムールが担当させていただいた故人様は、木製の帆船模型がご趣味でした。喪主である奥様と中学2年の息子さんの一番の思い出は、モナコで本物の帆船をみたことだとおっしゃっていましたので、ご家族全員がその魅力に引き込まれていたのでしょう。故人様の腕前はコンクールに出展するほど本格的で、亡くなる前日も作製していたそうです。

息子さんは、そのつくりかけの帆船模型を完成させたいと思っていたのでしょう。彼とアムールのスタッフである私はお父様の49日までに仕上げようと約束しました。私も何度かご自宅に通ってお手伝いさせていただきましたが、大半を息子さんが手がけられました。

完成したのは、49日法要の2日前。当日、新しい仏壇の横に全長85センチほどの立派な帆船模型をお供えしました。その時の息子様の笑顔がとても印象的でした。美しい帆船は、ご家族の想いを乗せて力強くお父様のもとへと旅立たれたような気がしました。


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2人で食べたかったお雑煮

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長年、連れ添った夫婦には、"いつもの"がたくさんあると思います。たとえば、ご家族の誕生日やクリスマス、お正月など、その日が近づくと「そろそろ...」と慣れた手つきで準備をして過ごす ─ 何気ない習慣も、改めて振り返ると、かけがえのない幸せだったりするのではないでしょうか。

今回は、大晦日に奥様を亡くされた喪主様のお話です。お通夜は1月2日を予定していました。その前に、私たちアムールは喪主様である旦那様にお時間をつくって差し上げたいことがありました。

湯灌納棺を行い、お参りを済ませたあと、ご親族にそっとお声がけして「奥様と旦那様を2人きりにさせてほしい」と願い出たのはそのためです。そしてお雑煮を2つ、ご夫婦の分を用意させていただき、私たちも退室しました。きっかけは、ご安置の際の、旦那様のひと言です。ドライアイスを当てる前、奥様のお体に触れた旦那様が涙ながらにつぶやいた、「一緒に雑煮を食べたかった」─ これは旦那様だけでなく、ご夫婦お二人の願いだと感じました。

後日お届け物に伺った際、旦那様から「心のこもった葬儀をありがとう」とのお言葉をいただきました。ご夫婦の"いつもの"を叶えたい一心で行ったことが間違いではなかったと、葬祭ディレクター冥利に尽きた瞬間でした。


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寡黙なアーティスト

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故人様は88歳、喪主様は6つ年下の奥様でした。旦那様のお人柄をお尋ねしたところ、「とにかく真面目」のひと言から始まりました。お酒もタバコも嗜むことなく、寡黙で冗談なども言う人ではなかったそうです。ただ、ご趣味となると多彩で、中でも絵画、油絵がお好きだったとのこと。お子様も、「お父さんの日常は、仕事をしているか、絵を描いているか、そのどちらかでした」とおっしゃっていました。そして何より、お母様への愛情の深さは計り知れないものだったとか。

そんな故人様のご葬儀に関するご要望は、「親族のみで送ってほしい」ということだけ。口数が少なく、いかにも「日本の父」という印象の故人様の、ご家族に対する気遣いや愛情が垣間見えるような気がしました。奥様もその想いに応えるように、ご葬儀に絵画の道具を用意したいとご希望されました。しかし、故人様は何でも1人でされる方だったため、収納場所がわからず、見つからなかったと残念そうでした。

そこで私たちアムールは、油絵の絵の具や筆、キャンバスをご用意し、イーゼルと共に祭壇横にお供えしました。キャンバスは2つご用意し、そのうちの1つには可愛がっておられたお孫様に絵を描いていただき、ご出棺前に手形を捺してお棺へお納めしました。「向こうでも私の似顔絵を描いてね」とやさしく語りかけた奥様。そのお気持ちは、旦那様にしっかり届いたように思います。


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また、逢う日まで

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夫婦円満の秘訣は「共通の趣味を持つこと」とは、よく聞くこと。今回は、映画が好きだったという故人様のお話です。ご夫婦揃って映画を観に行くのをいつも楽しみにしていらしたようで、ご家族の皆さまも懐かしそうに思い出話をされていました。

case-study03_1.jpgその思い出をカタチにできれば...と思い、映画のチケットを手作りしました。映画のタイトルは故人様への感謝の気持ちを表した、ご家族様からの「ありがとう」です。作成したチケットは2枚。1枚はお柩の故人様のお手元に、もう1枚は額に入れて喪主である旦那様にお渡ししました。何の気兼ねもいらない、お2人だけの世界に浸れるアムール劇場の指定席。もちろん、チケットに有効期限はありません。

実はこの映画、サブタイトルがあります。「再会できる」という希望の光を感じていただきたいという想いを込めた、"また、逢う日まで"。「これでまたいつか一緒に映画に行けますね」そうお声がけすると、喪主様は涙しながらも微笑まれました。


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織姫様が残したメッセージ

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「七夕でおじいちゃんに会えた? でも突然行っちゃって、さみしいよ」

故人様がお亡くなりになったのは、七夕の日。突然のお別れに、娘さんたちを始めとするご家族様は戸惑いを隠せず、泣くばかりだったといいます。

ただ、お母様ご本人は何かを察していたようで、お目を閉じる2日前に最期のメッセージとなるメモを残していらっしゃいました。

「今まで、みなさん ありがとうございました。
このまま いかせてください。延命治療はしないでください。」

さらには「納棺の時、この着物を着せてください」「葬儀はアムールでしてください」
「この写真を遺影にしてください」─など、ご自身がお亡くなりになった後、ご家族様が困らないように前もってご準備されていたことがメッセージとして残されていました。

「え? 自分の葬儀の準備をしていたの?」2人の娘さんたちは驚きながらも、その謎解きのようなメッセージを紐解いていくことで、みるみるうちにご葬儀の形が整い、無事お式を終えることができたのでした。

大切な方を失ったなかで、悲しみにくれながらご葬儀を執り行なうのは、大変おつらいことです。ですから、ご家族様に迷惑をかけないようにと、自らの準備をされる方が増えています。お母様もそのうちのお一人でしょう。その伝え方は人それぞれですが、このように鮮やかで温かな導き方には気づかされるものがありました。

娘さんたちも改めて、お母様への尊敬と感謝の念で胸がいっぱいになったのでしょう。
「心が救われました。結局、母の優しさに包まれて、守られてきたのは私たちだったんですね。偉大な母でした。」

お写真もご本人様がご準備されたおかげで、メモリアルコーナーにもたくさんお飾りできましたが、その中には亡き旦那様の遺影写真もございました。そして裏には、旦那様愛用のネクタイが挟み込まれてあったのです。

偉大で愛にあふれた、かわいらしいお母様。夜空を見上げれば、冒頭のひ孫様のお言葉通り、旦那様と再会されたご様子が見えるようでした。


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高崎市/新聞社(上毛新聞)"お葬式のご案内を新聞折込みへ配布"【更新案内】

高崎市の家族葬 アムール(群馬県全域対応)ご案内が新聞折込みにて、令和2年10月6日(火)、20日(火)に配布されます。
チラシをご持参の上、アムールホールへ来館のご相談をいただいた方に、総額¥30,000相当のお得なプレゼントをご用意しております。

365日・24時間(無料電話)0120-02-0983まで、お気軽にご連絡を下さい。

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高崎市の家族葬 アムール

高崎市/新聞社(上毛新聞)"お葬式のご案内を新聞折込みへ配布"【更新案内】

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チラシをご持参の上、アムールホールへ来館のご相談をいただいた方に、総額¥30,000相当のお得なプレゼントをご用意しております。

365日・24時間(無料電話)0120-02-0983まで、お気軽にご連絡を下さい。
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高崎市の家族葬 アムール